

こんにちは!
大変ご無沙汰しております。店主見習いのアキヒコです。
前回から早2年。だいぶ間は空きましたが酒蔵訪問を再開します。
2年前に比べ、大きく世の中は変わりました。何かと苦慮することが多いですが、なんとか食らいついています。
さて、前置きはこのくらいにして。
2021年7月12日、フランスのパリ市内で開催された「Kura Master 2021」において「澤の花 純米吟醸 夕涼み」(当店では完売)が美山錦部門において最高賞であるプラチナ賞、美山錦部門Top2に輝きました。
※Kura Masterとは
2017年より開催されている、フランスで行うフランス人のための日本酒コンクール。
審査員はフランス人を中心としたヨーロッパの方々。フランス国家が最高職人の資格を証明するMOFの保有者をはじめ、フランスの一流ホテルのトップソムリエやバーマン、カービストまたレストラン、ホテル、料理学校関係者など飲食業界のプロフェッショナルで構成。
フランスの歴史的食文化でもある「食と飲み物の相性」に重点を置いています。審査方法はブラインドでのテイスティング。ワインの評価と同じ100点満点の加点方式でおこないます。
(Kura Master HPより抜粋)
今回はその「澤の花」、「Beau Michelle(ボーミッシェル)」醸造元、佐久市の伴野(ともの)酒造株式会社について。直接お話を伺ってきました。

伴野酒造は1901年(明治34年)創業。
当店では上記の澤の花、ボーミッシェルの2銘柄を扱います。
信州、佐久の地酒でありたいとの想いがあり、仕込み水は八ヶ岳水系の伏流水、酒米は全て信州産のひとごこち、美山錦のみ。
今どきの華やかなお酒ではなく、ナチュラルで飲み続けられる食中酒が主なスタイルです。
お話を伺ったのは、杜氏で次期社長の伴野貴之(たかゆき)専務取締役。
(以下、伴野さんと呼称)

わたしの第一印象は、長身でイケメン!!(お世辞抜きです)声が大きく、お酒に対してストイック。伴野さん曰く、自分は人見知りとのことですが接しやすくて会話が楽しいなという印象です。

「自然体でなんか、ナチュラルなものがすきなんですよねえ。」と話します。
はじめて知りましたが、佐久の土屋酒造店、土屋社長とは高校から大学まで同じ学校で大学は同じ寮。伴野さんは「腐れ縁です。」とニヤニヤ。
大学卒業後、一般企業に就職。その後帰郷し、伴野酒造に入社。入社から3年後、前杜氏の引退をきっかけに杜氏に就任。当時の日本酒業界には危機感を感じていました。
就任当時と現在とでは大きな心境の変化があったようで、当時はイメージするお酒はあったが、はっきりとイメージできていたわけではない気がすると。
というのも、米、酵母、造りなどスペックに気をとられており、スペックから考え、どんな酒を造るかに頭を使っていたためかなあと回想していました。
今は何を造るかより「どうありたいか」、「お酒で何を伝えたいか」にフォーカスを当てています。その考えをもった頃に、酒米を全て信州産に切り替えました。
何かのコピペではなく伴野酒造しか醸せない、オンリーワンのお酒を、記録よりも記憶に残るお酒を今も追い続けていますと熱心に話していました。

伴野酒造の強みは対極的な銘柄があること
「ボーミッシェル」は0杯から1杯のお酒として最適。もっとカジュアルに日本酒を多くの人々に楽しんでほしいという位置づけ。

「澤の花」はお酒の王道を追い求め、食と共にあるお酒をという位置づけ。一番のターゲットは日本酒マニアではなく、もっと違うところをターゲットにイメージしています。

当店店主の印象に残っていることは?と尋ねるとたくさんあります(笑)と。店主のことは前々からいろいろ聞いていて、この人「人間として大きいな」と強く感じていたそう。
その中で一番だと言っていたのが8年前、当店の佐久平店出店時のエピソードでした。
開店準備期間だったとある夜、伴野さんが21時過ぎに店の前を通ると店主の車が一台。ああと思いちょっと寄って「手伝います。」と言ったところ、店主から「いや、大丈夫!」とちょっと立腹気味に返事が。
伴野さんも前職で飲食店新店の立ち上げを一人でやらなければいけないことがあり、本当に大変だったと遠くを見て話していました。
「だから、気持ちは良くわかり、頑なに一人でやっている後ろ姿にグッときました。でも頼ればいいのに。頑固だなあと思いながら、栄養ドリンクを置いて帰ったことですかねえ。」と笑っていました。
この時期だからこそ何かやっていることは?という質問に対しては
この時期だからこそ何かやるというか、逆に立ち止まっていろいろ思案していると話す伴野さん。
酒蔵としての進みたいところはイメージできているので、誰に伴野酒造のお酒を伝えたいかイメージをより深いものにするためと。
あとは蔵内のレイアウトをより良くするため、蔵人みんなで変えていますとおっしゃっていました。

蔵マスターの美山錦部門プラチナ賞受賞については自分で言うのもなんですが、凛としたお酒だったから受賞させていただく事ができたのでは?とおっしゃっていました。
「伴野酒造では15年くらい全国新酒鑑評会に出品はしていません。求められるお酒が私たちの造りたいお酒ではないからです。ですが、市販酒のコンペのなかで何か一つ出品してみようということで探しているなか、日本酒の視点ではなく、ワインの視点で評価をいただく蔵マスターが面白いのではということで出品しました。信州産の美山錦、自分たちのスタイルで受賞できたことは大変うれしいです。」と喜んでいました。
また、伴野酒造に尽力いただき導入にいたった「ケグ」に関してもお話をいただきました。
「生酒は良い意味でも悪い意味でも、味わいの変化が速い。流通・冷蔵技術が発達した現代であっても、蔵でのしぼりたての感動は蔵でしか味わえないです。しかし、ケグ容器に詰められたお酒は限りなく蔵でのしぼりたてに近い味わい。近い将来、生ビールのように飲食店で生酒サーバーのようにみんなが楽しめるようになる日を心から願います。」と。
伴野さんには「地酒」に対し、並々ならぬ情熱があります。
「地酒はその昔、地元でのみ消費されたり、その土地でしか飲めないその土地で愛されている存在だったと思います。」
「当初は地酒っていうのが自分の中で固まってなく、酒メッセでお客さんに地酒ですか?と聞かれても日本酒ですと答えていました。」と話す伴野さん。
現在は地元に愛されるお酒でありたいと想うとともに、故郷をはなれた人が「故郷を思う郷愁のお酒」でありたいと強く願うとおっしゃっていました。
お客様に対しては、「好きな人・大切な人・気の合う仲間と飲む酒、そこに美味しい料理と楽しい空間があって。そんな日常にある日本酒をこれからも醸したいと思う。末長いお付き合いをよろしくお願いいたします。」と話していました。

わたしは伴野さんとお話するなかで「地酒って何?」を考えされられました。私は当初、地酒は地方の珍しい・稀少な酒?というイメージでした。最近では認識が変化し、蔵・蔵元の思いやこだわりが表れている、地に根差したものというイメージです。お話をお聞きして伴野さんが醸すお酒がより高いレベルでの地酒だと感じました。
関係のない話ですが、私の地元福島ではよくラーメンを食べます。私も地元のラーメンが一番好きで、帰ると家族で店舗に行って食べることが多く、私の中でごちそう。たまーに持ち帰り用の生ラーメンを買い、実家で作って食べる具のないラーメン。店舗までとはいかないですがやっぱりおいしいです。
ただ、同じラーメンを買ってこっちで食べると、もちろん美味しいのですがなんか違うなあと思ったことがありました。説明はうまくできないのですが。伴野さんの話の中で「故郷を思う郷愁の酒」という部分がありましたが、ラーメンが違うと感じた理由は「水が違うから」だと理解できました。
お酒は80%以上が水。有名な名水地以外、その土地の水を手に入れられる術はあまりないように考えます。その点、地酒というものはその土地の水を使います。ですから、地酒は慣れ親しんだ水を使うことで故郷を思い出させるのだと思います。伴野酒造でも地元の伏流水、酒米は信州産のみと信州・佐久を思い起こせる要素が満載です。だから飲んだ方に佐久を思い出させるのだと。

伴野酒造の澤の花、ボーミッシェルを扱える幸せを噛みしめるとともに、お酒のことはもちろん伴野さんの熱意を伝えていかねばならないと考えた訪問でした。

ヒマワリのような爽やかさ、陽だまりのような暖かさをイメージした、品の良い香味。
蔵元:伴野酒造(長野・佐久市)
酒米:ひとごこち 精米歩合:60% 酵母:小川
価格:720ml 1,300円+税、1800ml 2,400円+税
久々の登場、澤乃花 ケグドラフトが8/27(金)より発売!
詳しくはこちら
8/27(金)販売!佐久平店限定「澤乃花 ケグドラフト」
その他の記事はこちらから
※写真引用元:伴野酒造HP

わたくしブログ担当者が寒暖差と連休お盆の繁忙期で疲れ果て、体調を崩していたら秋酒紹介大幅に出遅れました・・・。
みなさまも気を付けてお過ごしくださいね!
ひやおろし解禁の9月9日より一足お先に「秋あがり」が入荷しました。
程よく熟成して滑らかになった秋だけの味をご堪能ください。
今回は佐久のお酒を中心にご紹介いたします。
6月まで土蔵で貯蔵。程よい吟醸香と熟成による口当たりのやわらかさ。
720ml 1,650円(税込)、1800ml 2,860円(税込)
「穂積(ほづみ)」とは蔵のある地名。自社栽培米を使い、蔵に住み着く酵母で醸した黒澤にしか出せない味。
製法の性質上、毎年味が変わるのも楽しみ。
720ml 1,485円(税込)、1800ml 2,860円(税込)
酒米の王様山田錦を使用。熟した果実のような旨味と酸味。最初は冷やして温度変化を楽しむのも◎。
720ml 1,760円(税込)、1800ml 3,520円(税込)

昨年に引き続き、
感染症や大雨で思うように過ごせないお盆が続いていますね。
花火を見ながらわいわいお酒を飲める夏が待ち遠しいです。
ちょうどこの時期夏酒が終わりはじめて少し店内が寂しくなっていますが
実は少量入荷のものが発売されていたりします。
少し長くなりますがご紹介いたします!
☆限定リキュール
当店でも人気、奈良県・梅乃宿のリキュール。
今回はイチゴを使った新商品のご紹介です。
厳選したイチゴを使用。甘く濃厚で酸味のバランスがよく、スイーツ感覚でお楽しみいただけます。
720ml 1,650円 (税抜 1,500円)
1800ml 3,300円 (税抜 3,000円)
また、梅乃宿ゆず酒の、ゆずの割合をupした生酒バージョンも発売中。
フレッシュな香り酸味をより味わうことができます。
キリっと冷やしてストレートがおすすめ。
720ml 1,650円 (税抜 1,500円)
1800ml 3,300円 (税抜 3,000円)
☆限定焼酎
伝統を守りつつ新しいことに挑戦し、焼酎業界を背負って立つ情熱の蔵元、鹿児島の「西酒造」。
「富乃宝山(とみのほうざん)」で焼酎に目覚めた焼酎党の方も多いはず。
その西酒造の人気の麦焼酎「一粒の麦」。この夏おすすめの派生商品が発売中です。
そよ風に揺れる風鈴の音色をイメージ。通常の一粒の麦より低い温度で発酵させ、温度を上げすぎないよう細心の注意を払い、ゆっくりと蒸留させました。
青りんごをも感じさせる香りでロックやソーダ割がおすすめ。この夏、焼酎の世界観が広がること間違いなし。
720ml 1,540円 (税抜 1,400円)
☆人気ワイン
信州のワインのご紹介です。
それぞれ少量入荷のため、お早めにお求めください。
小布施ワイナリー(小布施(おぶせ)町)
国産ワイン業界注目のシャトー。栽培醸造責任者「曽我彰彦(そが あきひこ)」氏の想いは「100%自社畑のワイン造り」。理想に向かってひた走り、着々と目標に近づいている。
ピノノワールらしい赤い果実の香りとふくよかな味わい。樽香に負けない伸びやかな酸。10年熟成にも耐えうるワイン。
750ml 2,200円 (税抜 2,000円)
※お一人様3本まで
ナゴミヴィンヤーズ(東御(とうみ)市)
2018年設立。リュットレゾネという減農薬法で栽培を行うなど、可能な限りナチュラルな造りが信条。注目のナチュラルワインメーカーです。
樽由来のウッディーな香り。なめらかでトロリとした舌ざわり
750ml 3,520円 (税抜 3,200円)
東御市で収穫された巨峰やナガノパープルなどを使用。ほのかなにごりとベリー系の香り、爽やかな酸を楽しめる気軽なスパークリングワイン。
750ml 1,980円 (税抜 1,800円)
東御市産リンゴを野生酵母で醸し、無ろ過で瓶詰め&瓶内二次発酵。食欲をそそる風味豊かなジューシーな味わい。キリっとよく冷やしてお飲みください。
※オリが沈殿しています。
500ml 990円 (税抜 900円)
いざわの畑(立科町)
2013年よりブドウの栽培を開始。酒名のコトー・デ・シェブブレットは「子ヤギの丘」の意。荒廃地を開墾・再生し、できるだけ自然に優しい栽培手法でブドウを育てています。
柑橘とハーブの香り。まろやかな酸味をもつ豊かな味わい
750ml 3,300円 (税抜 3,000円)
立科町産ブドウ100%使用。果実味と酸味と良質なタンニン。ゆっくり飲むと時間経過による変化をお楽しみいただけます。熟成も〇。
750ml 3,300円 (税抜 3,000円)
☆おつまみ
この度、ご縁がありまして佐久穂町の八千穂漁協さまとお取引を開始しました。
八千穂漁協は信州サーモン等を養殖する養魚場。
夏でも冷たい北八ヶ岳の麓から流れ出る大石川の水を掛け流しで取り入れており、魚本来の生息域に近い状態でストレス少なく育てることが可能だそう。
採卵から出荷まで一貫した育成管理を行い、養殖から加工販売までを手掛けています。
八千穂漁協の信州サーモンは、エサも木炭粉末や木酢液を配合するなどこだわり、じっくり2年以上育てることでくさみのない身の締まった魚に仕上がっています。
当店では佐久平店にて八千穂漁協の信州サーモンを使用したスモークジャーキーを取り扱います。
私も試食しましたが食感が柔らかく、奥深いスモークの香りと凝縮した旨みが間違いなくお酒にも合います。
ぜひお求めください。
信州北八ヶ岳の清流で2年以上じっくり育てた信州サーモンを手切りでスライス。スモークで乾燥させて旨みを凝縮。柔らかく食べやすいジャーキーです。
900円 (税抜 818円)
※発送可。クール便使用。
※店頭では佐久平店のみの販売
お盆をすぎると少しずつ秋酒が出てきますよ!
お楽しみに!