酒蔵勉強会スタート!2019.06.28

こんにちは、アキヒコです。ご無沙汰しております。
最近なかなか酒蔵訪問が出来ていなかった為、当店の店主が酒蔵さんに相談をさせて頂いたところ、有り難いことに長野県内の酒蔵さんに出向いて頂き、当店従業員に自社の酒蔵やお酒のプレゼンテーションをする場を設けて頂ける事となりました!!幸せ者でごめんなさい。

記念すべき第1回目の酒蔵さんは佐久市中込にあります、代表銘柄「亀の海」「茜さす」があります「土屋酒造店」さんです。

1900年(明治33年)創業。今回、勉強会の先生をしてくださった土屋聡(つちやさとし)社長で6代目となります。
私の土屋社長へ対する第一印象は「ザ・インテリ」「クール」。ですが、実際にお話をするとお酒に対する熱い想い、こだわりの強さ感じました。特に耕作の経験を通じた酒米に関する知識量は凄まじいの一言でした。日本酒はもちろん、ワインもお好きでお酒の知識、佐久周辺の美味しいお店を網羅していました。僕も土屋社長から聞いたお店に今度行ってみようと思います。

吟醸酒造りのさきがけ

ご存知の方もおられるかもしれませんが、土屋酒造店は長野県内において吟醸酒造りの元祖といわれております。
二級酒全盛の時代、昭和40年代に吟醸酒啓蒙の為、高度な技術により長野県下において先駆けて「亀の海吟醸」を発売。以来1年も途切れることなく吟醸造りを継承。2018年には「茜さす 純米大吟醸」がANAのファーストクラスにも採用されました。
吟醸造りのパイオニアとして、その磨き上げられた技術により
★全国新酒鑑評会金賞 11回 (内県首席1回)
★関東信越国税局最優秀賞 第1位(2010年) 優秀賞 通算27回
★IWC in London 長野トロフィー獲得(2011年)
など、枚挙にいとまがありません。
吟醸造りを佐久の酒蔵さんが土屋酒造店まで学びに来ることもありました。

真の地酒の為に


近年では、地元の酒米を使った地元発の真の地酒を醸したい。という想いから「茜さす」という銘柄を立ち上げ、2000年4月より旧浅科村において農薬を散布しない米作りに地元農家さんと共にチャレンジされています。
佐久平という土地は霧が多く寒暖差があるため穂の実入りが良く、酒米づくりに適した土地。平坦な土地のため耕作がしやすく、ほとんどが「特A地区」に指定されています。
その中でも五郎兵衛新田という土地は粘土質土壌のため、お米の生育に必要な養分が多く蓄えられるため、より良い酒米が出来ます。
ですが、農薬を散布しないでお米を作るということは大変なことも多く、常に雑草との戦いです。
田植え後、米ぬかを散布し土壌表面に膜を生成し、初期の雑草を生えにくくするという方法や田植えの際に黒い紙のシートを同時に敷いて雑草の予防をしたりなど、普通の耕作より多くの手間と時間が掛かります。ですが、土屋社長は「真の地酒のためにとことん手を掛けたい」と笑顔でお話しされていました。
今後のお酒造りの方針として、苦み渋みを低減させることを目標にし、グルコース(単純な砂糖のような甘み)に頼るのではなく、アラニン(甘エビのような甘み)により自然で深い、複雑な旨みの増強を目指すとのことです。

「Terroir(テロワール)」

今回の勉強会の中で「Terroir(テロワール)」という文言が出てきました。
フランス語でざっくり言うと「生育環境」という意味なんだそう。ですが、土屋社長は生育環境+「文化・背景・歴史・立ち振る舞い」という大きな意味で考えておられます。
どういう土地でどんな酒米を作るのか。どういう人間がどういう意図でお酒を造り、向上させていくのか。上記のような追求を常にされている、冷静だけどかなり熱い土屋社長の姿勢を感じとることができました。
今回の勉強会で土屋社長から学ばせて頂いたこと、伝えて欲しかったことをお客様までお伝えし、私も現状に甘んじることなく、どうすればさらにお客様に喜んで頂けるかということを追求して参ります。
今後も土屋酒造店が醸すお酒にご期待ください。

アキヒコのおススメ1本

◆亀の海 純米吟醸 無ろ過生原酒

代表銘柄である亀の海。非常におめでたいという意味の「亀壽福海」(きじゅふっかい)より亀の海という酒名に。
土屋社長曰く、一言で酒質を表すと「甘みと旨みのバランスがよいお酒」
その特徴が表れているものが「亀の海 純米吟醸 無ろ過生原酒」です。
果実様の香りが華やかで上品な味わい。ラベルは純米吟醸となっておりますが、中身は純米大吟醸をいれる心意気。

蔵元:土屋酒造(佐久市・中込)
酒米:美山錦 精米歩合:49% 酵母:1801
価格:720ml 1,500円+税、1800ml 3,000円+税

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