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2019.07.22第3回酒蔵勉強会

第3回酒蔵勉強会
こんにちは、アキヒコです。
早く梅雨が明けてほしいと思う今日この頃です。
さて、第3回、酒蔵勉強会の酒蔵は佐久市塚原にあります、「深山桜」「和和和」等が有名な古屋酒造店さんです。取引がある酒蔵さんの中では、佐久平店から最も近い位置にあります。

1891年(明治24年)創業。今回の先生、荻原 深(おぎはら ふかし)社長で5代目。私の荻原社長への第一印象は「寡黙で真面目」。ご自身でもシャイと言っておられました。実際にお話しをさせていただくと口調がやわらかく、何か引き込まれ、和むような不思議な魅力を感じました。
また、「深」というお名前は同蔵の銘柄、「深山桜」の一字から名づけられました。家族から蔵の後を継げと言われたことはなく、継ぐことも最初は意識していませんでしたが、なんとなく将来蔵の後を継ぐのかなとは思っていました。荻原社長のおじい様が広島で国の技官を務めていたことがあり、広島でのお話をよく聞かされていたそう。その影響か、広島大学工学部の発酵コースへ進学。試験醸造を行ったり酵母の遺伝子バイオテクノロジーを大学院まで学びました。卒業後、佐久に帰郷。古屋酒造店に入社し、現在に至ります。
当店との出会いは、小海本店へ古屋酒造店の従業員さんがプライベートでお客さんとして通われていたことがきっかけ。当店の店主と知り合い、「じゃあ、自分の蔵のお酒持って来なよ」と、お酒を持って通ったことから取引がスタートしました。

寸胴鍋サイズ

古屋酒造店は地酒蔵の中でもかなり小さな規模の酒蔵です。日本酒の石数(こくすう)は年間250石。(こくすう:お酒の生産数。一石=1升瓶100本分)ゆえに、お酒を仕込むタンクも小さく、最小だと手で持ちあげられるくらいの寸胴鍋サイズです。小さいタンクだと外気温の影響を受けやすく、狙った温度で発酵させるということが非常に難しいです。ですが、温度変化が早いことを逆手に取り、温度が上昇した際にはタンクごと冷水につけるなど、大がかりな設備がなくとも技術と経験はいりますが、狙った温度で発酵をさせることができます。小さな酒蔵ならではの知恵です。近年では、平成27、29、30年度と全国新酒鑑評会(日本酒の品質向上を目的に、新酒を全国的に調査研究し、製造技術と酒質の現状及び動向を明らかにする為のコンテスト。日本酒業界のF1グランプリ)において金賞を幾度となく受賞しております。金賞を受賞したお酒でも寸胴鍋サイズのタンクを使用しています。仕込み量が極わずかであり、なおかつ一発勝負。先述通り、小さな蔵である古屋酒造店で、短い間にこれだけ金賞を受賞できることはすごいことです。

少量多品種

古屋酒造店の特色として日本酒のみならず様々なフルーツのワイン、地元に根付いた芋・そば・米、中には野菜のズッキーニ!の焼酎を造っています。荻原社長は多様なお酒を造ることにより様々な視点からのお酒造りができ、先述の通り、日本酒の石数が少なくても経験値を積むことができます。結果、古屋酒造店、お酒のレベルアップにつながると真剣に話していました。

和和和の始まり
代表銘柄「和和和」の名には「和の心で、和らぎ、和んでほしい」という想いが込められています。また、和和和は「100人中100人がイイネ!ではなく、100人中30人が大好きと言っていただけるお酒を」という思いで造っています。当店でも扱っている和和和ですが、実は今から十数年前、当店の店主が「特約店向けに特別なお酒が欲しい」ということがきっかけで誕生したんです!今では古屋酒造店を代表する銘柄になり、「清水屋無しでは和和和無し。和和和無しでは古屋酒造店無し」と荻原社長に言われるほどです。

白ワインっぽい

荻原社長には、「和和和を料理と合わせて飲んでほしい」という思いがあります。料理をおいしく食べ進めるため、お酒にはおいしさと、料理の油分と脂、くどさを洗い流して口の中をサッパリさせるということが大切です。その為、荻原社長は和和和を造る際、酸を多く生成させるような造りをされています。中でもリンゴ酸(リンゴやブドウなどの果実に含まれている酸。フレッシュな白ワインにも多く含まれる)の生成量が多量。また、リンゴ酸には、お酒に爽やかなキレとシャープな印象を与える効果があります。フレッシュな白ワインのような「果実味のある爽やかな酸と軽快な旨み」があり、和食はもちろん、洋食にとても合う稀有な日本酒です。その為、荻原社長も和和和のことを「白ワインっぽい」という表現をされます。過去には柱商品である「和和和 純米吟醸 美山錦」がワイン専門誌「ヴィノテーク」(1980年創刊。日本で唯一のワイン月刊誌)の美山錦特集にて最高得点を獲得した実績を持ちます。

振れ幅も個性

和和和についても石数(製造量)が少なく、1種類=1タンクで仕込みます。そのため造りは一発勝負で修正が効きません。そのため年ごとの味の振れ幅が大きいこともあるとのこと。ただ、「味の振れ幅」も和和和、古屋酒造店の個性だと思ってもらえたら嬉しいと荻原社長はおっしゃっていました。

自然のままに

荻原社長には信念があります。お酒を無理に「制御」しないということです。お酒は生き物であり、「人が発酵させる」と思ってはいけない。「発酵の手助けをさせていただいている」という思いでやる。方向性は決めるけれど無理はさせない。無理は必ず酒質に表れると。
今後も一本、一本大切にお酒を醸し、経験値を増やして向上させていく。型にはめず、柔軟に「発酵を楽しむ」そして、楽しんで発酵させたお酒をお客様にも楽しんでいただきたいと優しく和やかに語っていました。

今回の勉強会では改めてお酒が生き物なんだと荻原社長から学ぶことができました。荻原社長の「自然のままに」という信念が和和和の酒質に色濃く表れていると思います。自然のままにお酒を造り、その結果を柔軟に受け入れ、次に生かす。それを和和和が大好きで古屋酒造店の酒造りの姿勢を応援して頂ける方に「和和和で和んでほしい」という思いを静かだけど強く発信をされているなと感じました。私も和和和が好きな一人として今後も和和和のおいしさを広めていきます。

アキヒコのおススメ一本

◆和和和 純米吟醸 美山錦 生かすみ

柱商品であり、数ある古屋酒造店のお酒の中で荻原社長が「一番好き」だとおっしゃっていたお酒です。食事との相性がバッチリでお料理の味もしっかりリセットしてくれます。
過去には、ワイン専門誌「ヴィノテーク」(1980年創刊。日本で唯一のワイン月刊誌)の美山錦特集にて最高得点を獲得した実績を持つ。
蔵元:古屋酒造店(佐久市・塚原)
酒米:美山錦 精米歩合:55% 酵母:金沢系
価格:720ml 1,450円+税、1800ml 2,665円+税

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