「山泉」の造りに参加して来ました!2023.01.30

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昭和18年まで造り酒屋であった当店の銘柄「山泉(やまいずみ)」。光栄なことに昨年の暮れ、山泉の造りに私たち若夫婦が3日にわたって参加させていただくことが出来ました。
山泉は佐久穂町にある黒澤酒造さんのご厚意により醸していただいております。毎年皆様にご好評いただき、近年はタンクまるごと1本の量に。

今回の造りの参加に関しては黒澤孝夫社長と弟さんの黒澤洋平杜氏(とうじ:酒造りの最高責任者)にご協力いただき実現いたしました。この場を借りて改めて御礼申し上げます。

1日目は酒母の仕込み。(しゅぼ:「もと」とも。文字通り酒造りの母で酵母を安全に培養させるための工程)
帽子と白衣を着用。しっかりと手指の洗浄・消毒を行います。

私たちの作業は甑(こしき:酒米を蒸す大きな釜)で蒸された酒米(以後、蒸米と呼称)を放冷機という蒸米を冷却する機械に通し、その後蒸米を酒母タンクに投入、攪拌という流れ。

蒸米を杜氏のご厚意で手に取らせていただきました。色合いや形もあいまって小さな真珠のよう。触った感じはチャーハンのようにパラパラ、さらさら。これがいわゆる、さばけが良い状態。

蒸米は甑の中でネットに入って蒸され、ネットごとホイスト(重量物を吊り上げる器具)で吊り、蔵人さん2名で放冷機に投入。

放冷機はベルトコンベアのような構造で続々と蒸米が排出口より出されます。蒸米を手早くプラスチックケースの中に入れ、台車に載せて酒母タンクのある部屋までダッシュ。時間との戦いです。

酒母タンクは大きめな寸胴くらいのサイズ感。

あらかじめ投入されている水などが跳ねないよう丁寧に素早く蒸米を投入。櫂(攪拌する棒)でムラが出ないよう、また塊に注意し突くように攪拌します。これが想像以上の労力。

蒸米は吸水してどんどん重くなり、例えになっておりませんが粘度高めの泥をまぜているよう。蔵人さんは軽々と作業を行いますが、私たちは息切れするほど。作業中はかなり汗をかきました。攪拌具合を確認後、酒母の温度を蔵人さんが測定。狙い通りの温度。合格をいただきました。

2日目は三段仕込みの添え。(醪が安全に発酵するよう徐々に量を増やし、仕込み水・麹米・蒸米を3回に分けて投入する工程。添→踊り→仲→留という順番で4日かけて行う作業。)

前回の寸胴サイズの酒母タンクとは違い、今回の仕込みタンクは人間の身長を越える高さ。タンクの直径も同じくらいでした。これでも山泉の仕込みタンクは黒澤酒造の中でまだまだ小さいほう。

作業の流れは前回と同様ですが蒸米の量が多く、タンクの半分まで醪がありました。ただ、前回の作業を経験していたこともあり、個人的に思ったよりも大変ではありませんでした。

温度もばっちり。

3日目は三段仕込みの留め。
作業は同様ですが、蒸米の量がケタ違い。
醪の容量もタンクの口元まであり、櫂での攪拌は正直音を上げそうになりました。途中から蔵人さんにお手伝いいただく始末。

翌日、背中から腕にかけて筋肉痛が発生するほど。

今回、山泉の造りに参加させて頂きましたが、なんというか酒造りの神々しさや神秘、蔵人さんの技・体力・五感に圧倒されました。また、清水屋のルーツである山泉の造りの場に、少しですが一員として携わることができ、お酒を販売するものとして幸せです。

さてさて肝心の山泉ですが、皆様のおかげで1/9に無事搾ることが出来ました。現在、絶賛ご予約受付中です。
本年の山泉はバナナ様の香り、力強い骨格のある味わいとやや辛口で洗練された生もとです。しぼりたてはもちろん、「氷室」貯蔵の夏越しのひやおろしもおすすめ!
毎度ですがご予約分のみのご用意となります。たくさんのご注文お待ちいたしております。

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