酒蔵・ワイナリー見学記~ナゴミ・ヴィンヤーズ編~2023.11.26

ナゴミヴィンヤーズ。(以下:ナゴミ)
東御市和(かのう)地区に位置するワイナリーです。
お邪魔した際、園主の池(いけ)さんは作業中にも関わらず快くお迎えいただきました。
お察しの通り「ナゴミ」は和(かのう)の地名より。読み方が異なるのは遊び心から、あえて和の読み方を変えてみた為です。

池 敬絃(としひろ)さんは都内出身で、もともとは技術系のサラリーマン。30代になるといろいろと思う所が。そこで池さんはご夫婦でワイン好きだったこともありワインの道へ。東御を選んだ理由ですが、池さんご夫婦が国内の産地を周った中で東御は巨峰がおいしかったこと、ヴィラデストなどのワイン造りに適した条件が揃っていたためです。地元の先輩ワイナリーで学び、ご夫婦で和地区へ2010年に入植。最初の仕込みの際、当時アルカンヴィーニュで醸造担当だった林 忍さんに指導を受けたことが今につながっていると池さん。

ナゴミは野生酵母と全量自社畑のブドウをワインに用います。畑は一番高いところで標高720m。
池さんがブドウ栽培で大切にしていることは人間が出すぎない、ブドウが自然になりたいような姿にさせること。
ナゴミさんのブドウの特徴は?の問いに対しては「正直、ブドウの樹が樹齢10年前後なので本当の意味での個性はまだまだこれからなのかなというところ。どうしたらいいブドウになるかは試行錯誤しているのでこれからが楽しみです。」と池さん。ピノノワールとシャルドネについてはもっと個性を出せたらいいなとも。
ワインのブレンドにもこだわりがあり、割合を変更して何十とテイスティングを行います。テイスティング中は何も口にしないため、吐き出しながらでもかなり酔うんだとか。

畑は拝見できませんでしたが醸造所はコンパクトにまとまっている印象。西日がシャッターに直撃して醸造所内の温度差が生まれるため後から日よけを設置するなど試行錯誤。
ラベルは都内のイラストレーターさんが自社畑のブドウや見える風景をデザイン。その原画は池さんのご自宅に。ワインを飲みながら鑑賞する時間は贅沢だと池さん。

グラスホッパーというナゴミの商品の秘話もお聞かせいただきました。
リリース当初は業界で今までにないタイプだった為、どのような反応になるか不安だったでしたが徐々に評価を得て今では人気商品となりました。個性は大切ということが解かりましたと池さん。

池さんがワイン好きになったきっかけはサラリーマン時代。職場の近くにあったワインショップでワインの楽しみ方を教えてもらったこと。
ワインは誰にお勧めされたかで印象が全然違う。清水屋には様々な年代のお客様にワインの面白さを伝えてもらってほしい。と
今回、池さんときちんとお話するのは初めてでしたが池さんから感じたことは「丁寧さ」。それがワインのお味にも現れているのではないかと。また池さんの仰る通りお客様が楽しんで頂けるようこれからも精進いたします。